インディ・ジョーンズ

テレビの4週連続「インディ・ジョーンズ」を楽しみに観ています。
昔の3部作は子供の頃冒険映画として観ていましたが、今観ると作中の歴史ネタが分かる様になり2倍楽しめました。
同じ監督による最近の「ブリッジ・オブ・スパイ」に通じるこだわりを見出せたりと、新たな発見もありました。
大人も子供も楽しめる作品は素敵ですね。
創作に癒され救われます。

所で私は車離れ(の若者)の1人ですが、クラシックカーは大好きなのです。
インディ・ジョーンズの舞台が丁度1930年代なのでアンティークなアイテムの数々も眼福です。
もし現代に1930年代風のデザインの手軽な車があれば私も、免許取って車買いたい!と思うかもしれません。
http://www.gadgetshowprizes.co.uk/indiana-jones/
[2017/11/11 00:00] | その他雑記 | page top
音楽史を混乱させている反リスト派
一昨日の記事での専門書の正しくない記述に関連する事ですが、ショパンの伝記を何冊か読んでいると、リストがショパンと比較されて下げられたり、ショパンとリストの友情を否定する記述を目にします。
これらは反リスト派によるものと思われます。
反リスト派はショパンの存命中から現在に至るまでの長きにわたり存在し、不自然なリスト下げを行っているようです。
反リストなショパン本は、ショパンに関する記述が素晴らしいだけに影響力が強く、リストに関する否定的な記述も読者に鵜呑みにされてしまいがちです。

以前私の漫画の読者さんから「学校の音楽ではリストはショパンに嫉妬していたと習った」と意見を頂いた事があり、愕然としました。
反リストな記述を鵜呑みにした教師が生徒に誤った情報を教えているのはとても残念な事です。
実際は揺るぎないNo.1の座にいたリストは嫉妬から解放された状態で、仲間を支援する役割をも果たす事が出来ました。
それでいて王者の地位に甘んじる事無く気絶するほどハードな練習をしたりしていました。
そしてリストはショパンをずっと敬愛していました。これはリスト本人の著書からも窺えます。
それに対してショパンのリストに対する気持ちは何度も揺れていて、そこが2人の関係の興味深い所でもあります。

リストの人物像を偏見無く知るには、

「フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか」
(http://www.shinchosha.co.jp/book/610547/)、

ショパンとリストに友情があった証拠になる本としては、

「パリのヴィルトゥオーゾたち」
(http://amzn.to/2yOV9eC)
がおすすめです。

後者はショパンとリストに弟子入りしたロシア人が書いた本で、2人の以心伝心なエピソードが微笑ましいです。
私も作品などを通してショパンとリスト2人の人間関係の本質に迫り、興味のある方に知って頂ければ嬉しいな、という思いで活動しています。
[2017/10/26 00:00] | 音楽家語り | page top
ドイツの漫画
来日中のドイツのメンサンお二方にお会いしました。
直前まで私の語学が出来なさ過ぎでどうしようと思っていたのですが、あっという間の約4時間、楽しくご一緒させて頂けました!
ドイツのことやドイツメンサのことを色々お聞き出来て勉強にもなりました。

貴重な機会を有り難うございました。
素敵なお土産を頂きました。
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なんとドイツで人気の漫画です!



「Die Entdeckung der Currywurst」、「Faust」共に、日本のamazonからも購入出来ます。
日本語訳はまだされていない様です。



ドイツのamazonでは中身を少し見られます。

2冊とも読了したので感想を書きたいと思います。


・「Die Entdeckung der Currywurst(カリーヴルストの発見)」
終戦前後のドイツを舞台に、40代女性と20代の青年脱走兵の束の間の秘密の同居生活と、女性がその思い出を胸にカリーブルストを発明して屋台を始めるまでを描いた、切ない歴史漫画です。
まず、ハードカバーで漫画が出版されているのが羨ましい。
トーンを一切使わず、絵柄は劇画調で、4段・タチキリ無しの伝統的なコマ割りです。
構図の切り取り方が映画のワンシーンの様で、ほぼ全てのコマに背景が描き込まれています。
ヨーロッパの昔の街並は美しくて創作意欲を刺激するけれど、私の感覚では描くのは日本の日常背景の何倍も大変です…。
私も「僕のショパン」で史実をリアルに描くためにヨーロッパの街並を沢山描きましたので、画面で時代の空気感を伝えようとしている所に共感を覚えました。
「Die Entdeckung der Currywurst」では終戦前後の街や人々がリアルに描写されていました。

漫画の後には、漫画の舞台であるハンブルクの街の成り立ち、市街戦や闇市の事情等、漫画に出てくるシーンが詳しく解説されていました。
この作品は日本では原作小説が訳されて出版されています。
映画化もされているそうで見てみたいと思ったのですが、日本語字幕付きのものは今の所無いみたいです。
とても密度の濃い、歴史好きにおすすめしたい漫画でした。


・「Faust(ファウスト)」
ゲーテのファウストの小説は日本では何種類も出版されていて、私は新潮文庫版を持っています。
ロマン派について調べているとよくファウストの話題が出てくるので、読んでおこうと数年前に買ったのでした。

この漫画「ファウスト」はゲーテのファウストを下敷きに、現代ドイツが舞台になっています。
こちらはカリーブルストと違いデフォルメ調の絵柄ですが、こちらの方が読む前に予備知識が必要かもしれません。
障害者・イスラム・高学歴プア・羊水検査といったデリケートなネタが風刺されています。
読者ははじめ、ファウスト=タクシー運転手、ワーグナー=褐色の車椅子使用者、マルガレーテ=イスラム教、という漫画のキャラ設定にショックを受けたそうです(私はドイツの職業階級について教えてもらってショックの理由が分かりました)。
漫画になるとショック、という現象は凄く分かります。
作者は真剣に描いていても漫画・イラストという形で発表すると、ふざけてると誤解される事があります。
漫画ファウストでは、作者がゲーテの遺産に貢献している事で作品が説得力のあるものとなり、読者に受け入れられたそうです。
私の漫画の場合は、クラシック音楽とコラボしたドラマCDを出せた事やピアノ専門誌で特集して頂けた事が、作品の大きな助けになったと思います。

私が僕のショパンを漫画にした時は、純粋にショパンやリストが漫画になる事を歓迎して頂けた一方で、史実を知らない方から「こんな筈が無い」といった批判もされました。
しかしショパンに関する専門書を沢山読まれている方や音楽史の先生方からは「よく調べている」と評して頂けました。
歴史漫画は既にある史実に漫画家がフィクションを加えて作るのが王道です。
それに対して私の作品は、専門書を読み比べた時専門書にも正しくない記述や曖昧な記述がいくつもあると分かり、それを自分の漫画でより本質に近く追究する事を試みたものでした。
ですが私が史実をどんな風に描いて、私なりの新しい発見がどんな所にあるのか、この2つは漫画を読むだけでは分からない事です。
自分なりの歴史の研究成果を漫画で発表する事は非常に困難だと痛感しました。

この漫画「ファウスト」にもカリーブルストと同様に漫画の作者とは別人による解説ページがあり、漫画が信用に足るものである事などが書かれてます。
何が定番の史実で何が新しい発見か解読するのに何冊もの専門書の読み比べが必要な私の「僕のショパン」と違い、この「ファウスト」はゲーテのファウスト1冊読めばどこがゲーテと同じでどこが作者独自の表現か分かります。
時間が無ければあらすじをググってから読むと、世界観が理解しやすくなると思います。
個人的に、ファウストがマルガレーテにアピールする時に、「自分の趣味はゴミの分別です」と言ってしまい、大失敗かと思いきやそれが意外にも彼女にズキュンと響く所が面白かったです。
ゲーテのファウストを通して現代ドイツの社会問題を垣間見る漫画としてとても興味深い作品でした。

日本の漫画とは一見全然違って見える2冊ですが、読んでみると自分の創作活動と重なる部分をいくつも見出せました。
「創作魂に国境は無い」と改めて実感し、温かい気持ちになりました。
素敵な本を有り難うございました。
[2017/10/24 00:00] | その他雑記 | page top
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