安達朋博さん日本デビュー10周年リサイタル
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安達朋博さんの日本デビュー10周年ピアノリサイタルに行ってきました。
安達さんはクロアチア音楽の普及に尽力されていて、「僕のショパン」のドラマCDではピアノ演奏を新録収録して頂いたピアニストさんです。
今回は2時間を超える大ボリュームのリサイタルでした。
ストラヴィンスキーの「火の鳥」のグリッサンドの嵐が柔らかく多彩で魅了されました。
ショパンの「ソナタ2番」は今回の曲目の中では私には一番馴染みのある曲でしたが、始めの1音から良い意味で予想を裏切る音色で、たった4小節の前奏で、どんな演奏が始まるんだろうというワクワク感で一杯になりました。

ショパンのソナタは全3作あり、この2番は全4楽章で、この4曲をひっくるめて「ソナタ」にしたのは現代の感覚で見ても相当攻めたな、という印象です。
普通のソナタを想像して初めてショパンのソナタ2番を聴くと、聴き終わった後に「今のは何だったんだろう…」という感想を抱く事必至です。

ソナタと言えば古典派の定番ですが、ロマン派の1830年代になるとソナタを作曲・出版するハードルが上がります。
1作目のソナタを作った若きショパンは、ソナタというジャンルは時代遅れで売れないという理由で出版してもらえませんでした。
リベンジに燃えるショパンは20代で2作目の斬新すぎるソナタ2番を作ります。
これは無事出版されましたが、シューマンに「これは音楽ではない」と評されてしまいます。
(ショパンも以前シューマンの謝肉祭を「あれは音楽ではない」と評したのでお互い様。ちなみにどちらもけなしているわけではありません。)
30代のショパンは3作目の、斬新ながらも正統派の印象も与える最後のソナタ3番を作曲・出版しました。
3作のソナタの変遷から、見た目は天使で妖精なショパンの内に燃え滾る負けず嫌いで努力家な性格が窺えます。
今日はこの大好きな曲を安達さんの演奏で堪能することが出来ました。

安達さんのコンサートは観客との心の距離が近く、安達さんがお客さん達に愛されているのが凄く伝わってきます。
こちらのリサイタルはあと名古屋(10/27)と東京(11/3)で開催されますので、お近くの方はぜひ!
[2017/10/20 00:00] | 音楽家語り | page top
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