病弱で優柔不断なショパンが「夫にしたい」と思われた理由
「ショパン、あなたを夫に、ヒラーを友人に、リストを恋人にしたいわ」
これはショパンがプラーター伯爵夫人に言われた言葉です。
ショパンは確かに優しくていい人そうだけど、病弱で優柔不断なショパンがなぜ夫にしたいと思われたのか考えてみました。

伝記や書簡を読んで思った一番の特徴は、ショパンには男尊女卑的発想が無いことです。
あえて挙げませんが、実は同時代の音楽家には男尊女卑なセリフを残している人がちらほらいます。

例えば現代でも、女性の方が稼ぐことに男性が嫉妬して別れるカップルは少なくないと思います。
ショパンは一般人の何倍も稼いでいましたが、サンドは更にショパンの倍稼いでいました。
そしてショパンは自分とサンドのカップルではサンドが女主人だと感じていました。
でもショパンはサンドの収入を超えたいともサンドを従わせたいとも思わず、サンドに守られることに心地良さを感じて名曲を生み出していました。

繊細すぎて神経質だと見なされがちなショパンですが、実は恋愛観はとても心が広く器の大きい男性だったのです。
お互いの能力を認め合い、尊重し合えていたショパンとサンドは、現代から見てもとても先進的なカップルですね。
ショパンと話しているうちにショパンに男尊女卑が無いことを感じ取った貴婦人は、ショパンを夫として理想的だと思ったのかもしれません。

それから現代では結婚後に会話が無くなり妻が夫に不満を抱くという現象が少なからずあるようです。
リスト曰くショパンは、誰も無視せずその場にいる人全員に気を配り楽しませる人だったそうです。
結婚後も妻を無視しない理想的な夫像を、貴婦人はショパンに見出したのかもしれません。
ほかにも、恋愛に奥手で浮気しそうにないのも夫に最適な要素として映ったのかもしれませんね。

ちなみに冒頭の文章の英語版はこんな感じです。
“If I were young and pretty, my little Chopin, I would take you for a husband, Hiller for a friend and Liszt for a lover.”
「my little〜」には「私の可愛い〜」「〜ちゃん」「守ってあげたい」という意味もあるらしく、ショパンがここでも可愛い扱いされていたのが微笑ましいです。
[2018/03/24 00:00] | 音楽家語り | page top
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