参考文献
「僕のショパン」で主に参考にさせて頂いた本(+連載後に読んだ面白かった本)の抜粋です。
書店で手に入らなかった本は古書通販で探しました。

パリのヴィルトゥオーゾたち
ショパンとリストを訪ねて弟子入りを果たしたレンツによる回想録。
1人ずつ書かれる事が多い伝記本ですが、ショパンとリスト両方、そして2人の絶妙な友情が書かれているという点でこの2人に興味のある方にオススメの本です。
リストがショパンの事を何でも知っていて、ショパンがリストを意識しまくっているのをこの本で知り、ますます興味を持ちました。
リスト「可哀想なフレデリック!」
ショパン「リストはどこにでも爪跡を残すんだから!」
レンツ「ショパンはリストの妻」等、意味深な名言の数々。
リストの「可哀想なフレデリック!」というセリフで、私の中のショパン像が決まりました(笑)。
ショパンのお気に入りになりたくて必死な著者レンツも面白いです。
レンツがショパンとリストで夫婦妄想したり、同年代の30過ぎのショパンを何度も女性に例えてときめいたり動揺したりしているのが現代人には驚きで、レンツもしや腐男子!?
でもその様な描写はショパンの項だけ。
この本は一般人を腐男子化させる程ショパンが可愛かったという証拠にもなっています。
レンツはリストの容姿と心の広さにハートを奪われ、ショパンのありえない言動に心の叫びでツッコミまくりです。

ショパン その生涯と藝術
1949年発行のリスト著ショパンの入手困難貴重本。
リストがショパンの死後すぐポーランドに行って書いた最初期のショパンの伝記。
母校の図書館にあるのを発見して感激。ショパンに対するリストの愛が詰まってます。
創作者による創作者の解説本、しかも一流芸術家同士。とても珍しく貴重です。
ショパンは人物・曲共に当時のパリではかなりの不思議ちゃん(風変わりな芸術家)だったみたいです。
理解されなかったショパンを読者に伝えようと、ショパンを花や乙女に例えて語彙豊かな比喩表現でショパンについて語っています。
官能的な文章(多分天然)から滲み出るリストの色気が凄い。
文中のサンドのルクレチア・フロリアニの抜粋の美しい文章もショパン像に参考になりました。
リストはショパンの仕草や曲を絶賛しながらも、自分の自慢やおそらくショパンを怒らせた失敗談をちゃっかり書いているのも面白い。
ショパンの孤独を見抜いて気にかけたり、自分だけが気付いていると言わんばかりの表現にもリストのショパンへの想いが詰まっています。
リストがショパンの事を書いて本にしたというのが何より素敵。
漫画を描くきっかけになった大事な一冊。
旧漢字なのですが、現代語に書き直して解説付きで復刊されるのを強く願っています。

ショパンの手紙
天才ながら普通の人の様に悩んだショパン。
特に若者特有の人生の悩みや創作の道を目指す葛藤にはとても共感しました。
毒キノコ発言・濡れた毛布発言・ユリアンへのパシリ指令等、あまり引用されてないショパンのちょっと毒のある個性溢れる文章も読めます。
サンドがショパンの事を可愛い可愛いと書いていて、本当に可愛かったんだなと…(*´-`*)。
「可哀想な天使!」と表現したのも名言ですね(笑)。
サンドの長い手紙に書かれたショパン攻略法や、慎ましやかな恋愛観のショパンの過去を見抜く鋭い考察力にも驚きました。
ショパンの手紙には音楽や創作だけでなく生きるのに役立つ心の支えや目標になる素晴らしい言葉が沢山あります。
恩師や家族に恵まれていた事も手紙から伝わってきます。
愛されキャラショパンの魅力は、愛情で人が強くなれる事を教えてくれます。

ショパン全書間ポーランド時代
ポーランド語から直接訳された、ショパンの手紙の完全版とも言える新訳本。
注釈や周辺人物の紹介がとても詳しいです。連載中に知りたかった日本語版初の情報が満載。
これからショパンについて調べ始める方も、既にショパンの手紙を読んだ事のある方も必読の本です。
ショパンは友人宛の手紙で激しい口調になる事があるのですが、それはツンデレを考慮すると読み解く事が出来るかもしれません。
冒頭「君は僕が手紙を書くに値しない!(返事が来なくて寂しさMAX状態で怒っている)」→結び「本当は君が恋しくてたまらないんだ!」。
私は漫画でショパンを「ツンデレ乙女男子」というキャッチコピーにしましたが、これはまさしくツンデレが表れた手紙だと思います。
冒頭が激しくてもすぐにデレる所、ツン状態は大抵寂しさが原因という所が憎めなくて、ショパンが愛されキャラだったというのを感じ取れます。
「ショパンの手紙」にもツン状態からの不意打ちのデレで書かれた手紙がいくつもあり、読んでて愛おしさを鷲掴みにされます。
これが計算では無く天然で書いているというのが凄いです。
ツンデレ様式を意識しながら読むとショパンの手紙を新たな発見と共に楽しめると思います。

ショパン紀行 あの日ショパンが見た風景
伝記+紀行文で写真がとても多いのが魅力。写真や画像が多いと理解が深まりますね。
作画の資料としても役立ちました。

決定版 ショパンの生涯
ほかのショパンの伝記には載ってないエピソードも読める詳しい本。
ポーランド時代のショパンの情報が詳しく、学生時代のショパンが可愛いです。
医師で同居人のヤンやホフマンとの同居の経緯、体調管理をしてもらってたいたエピソードも興味深いです。
ポーランド語から日本語に直訳された貴重な本で、ショパンが書いたユーモア溢れる文章(造語とか!?)も訳すのが大変だったらしいです。

CDでわかる ショパン鍵盤のミステリー
フルカラーで写真・肖像画・イラスト・4コマ漫画も沢山、楽しくショパンの魅力が紹介されてます。
見開き単位の構成なので調べる時迷子になりません。
読み易いページ数なのに、情報も濃くて詳しく頼もしい本です。
初めてのショパン本にもオススメです。

ショパンとパリ
ショパンとリストが対等なライバルとして書かれているのが良かったです。
ショパンと関わりのある当時のパリの著名人の名言等もショパン・リスト像の参考になりました。

ジョルジュ・サンドからの手紙
サンドの手紙は「ショパンの手紙」にもいくつか収録されていますが、こちらはショパンとサンドが付き合う経緯からマヨルカ旅行あたりのサンドの手紙が沢山収録されていて、その時の2人の様子を詳しく知る事が出来ます。
ショパンが惹かれたサンドの逞しさや、小説家サンドへの酷い批判、それに負けない様子にも心打たれます。

マヨルカの冬
サンドの著作。ショパンとサンドの蜜月旅行であるマヨルカ島の様子がよく分かるので作画の参考にもなりました。
「芸術家」「病人」としてショパンが出てきます。

ジョルジュ・サンドの世界
サンドの小説の紹介もあり、サンド像にも役立ちました。
サンドの作家としての信念がかっこいい。
第一印象でサンドを苦手だと感じたショパンがサンドに惹かれていくヒントがこの本からも窺えます。

Franz Liszt写真集
ドイツで発行されてる元祖イケメンピアニスト・リスト様の写真集。威厳が凄い。
写真集まで出るなんてスターですね。
リストの髪を見つめたりリストと腕を組む青年、リストを支える様に寄り添う女性、老リスト先生の愛されている様子が微笑ましい。
服飾の資料にもなります。最後には死に顔も載っています。

作曲家 人と作品シリーズ
作曲家の人生と作品が見やすくまとめられていて、中立的な目線が良かったです。
逸話の真偽や最新の研究結果も載っています。
私はこのシリーズではリスト・シューマン・ワーグナー・ショパンを読みました。

愛の人フランツリスト
この本の名言「僕達は愛し合っている!」(ワーグナーがリスト宛に書いた手紙)。
ショパンが自室にリストの肖像を飾ってたり、リストが髪を撫でられたり、ワーグナーがリストに甘えたりとおいしい描写がいっぱい。
キスネタはこの本からです。
甘えながらもお金をせびるワーグナーを見て…元祖腹黒ショタ!?と閃きました。

マリー・ダグー 19世紀フランス 伯爵夫人の孤独と熱情
この本で、モテモテでよりどりみどりだったリストが何故マリーに惹かれたのかが分かりました。
マリーの価値観が他の女性とどう違うかや、歪んで語られる事の多いマリーの人物像が偏見無く把握出来ました。
2人のエピソードを描く際参考になりました。

音楽と音楽家
シューマン著音楽評論。
シューマンから見たショパン・リスト・メンデルスゾーン等の音楽家像を知る事が出来ます。
面白いのはこの評論が、シューマンの脳内キャラの会話文によって書かれている所。妄想評論文!?
ダヴィッド同盟がシューマンの想像上の団体だと知り、評論をペンネームを使い脳内キャラに語らせている書き方を見て…シューマンって元祖オタク!?と衝撃。
そのまま漫画でキャラにしました。
ショパンと頻繁に会っていた同時代人はショパン本人の可愛さについて語る事が多く、現代人にとってそれが驚きを伴うものであるのに対して、シューマンはあまりショパンと会っておらず、曲からショパンをイメージしていたので、シューマンのショパン観は現代人ととても近く違和感が無いというのも見所です。
若い頃から芸術に対する真理を見抜いて書いているのは流石です。
評論なのに本人が芸術家でもあるから芸術家としての葛藤や心得も書かれており、音楽以外の創作者にも共感出来る内容だと思います。
クリエイターを悩ませる攻撃や葛藤は現代と変わらず、読んでいて励みになります。

クララ・シューマン 真実なる女性
クララの音楽家としての人生や、歴史上の名恋愛と言われるシューマンとの愛の軌跡が美しい文章で書かれています。
クララの幼い頃から向上心の強い一生懸命な様子や、ショパンやメンデルスゾーンが控え室でじゃれあうのを見てときめいたりする普通の少女と変わらない所がとても可愛い。
同じドイツにいたワーグナーとの交流も漫画の参考になりました。

メンデルスゾーン家の人々 三代のユダヤ人
メンデルスゾーンについてとても詳しく書かれている伝記。
真面目なだけでなく、無言歌にタイトルを付けない理由や、マイアベーアに似てると言われて髪を切った話等、豆知識や面白ネタも満載です。
ヒラーやベルリオーズとのほかの本では見られない様な交流も読めます。

もう一人のメンデルスゾーン ファニー・メンデルスゾーン=ヘンゼルの生涯
フェリックスの姉ファニーの伝記。
優れた才能を持ちながら表舞台では活躍する事の無かったファニー。
表舞台に出たクララやマリー・モークとの違いも分かり易いです。
フェリックスの関わる出来事をファニー側から見ると新たな発見があり、この本のおかげでメンデルスゾーン姉弟の音楽活動への思いや人間的な葛藤を描く事が出来ました。

ロマン派の旗手 メンデルスゾーン・シューマン・ショパン
他の本には載ってない情報が色々ありました。
若きシューマンのエロス特集にはびっくり…漫画本編では9歳年下のクララに一途なキャラで一貫しましたが、おまけページでこの本に載ってたエロスネタについて触れる事にしました。

ベルリオーズ回想録
全2巻。自虐と皮肉で語られる、ベルリオーズの文才溢れる面白い本です。
ベルリオーズから見た神々しいリストとの交流も多く書かれています。
コンサートでのサクラとヤジの対決、オーケストラメンバーの指揮者への嫌がらせ等、今では有り得ない当時のクラシック音楽界のはじけっぷりも満載。

音楽のグロテスク
評論家でもあったベルリオーズの批評集。
ユーモアたっぷりの文章で、沢山の小話を楽しめます。
華やかで優雅なイメージだったパリ音楽シーズンの悲惨な実態には驚きました。
ショパン達とは違い、才能も努力も無い有象無象の自称音楽家達の奇行等、伝記本で取り上げられない著名人以外の実態も知る事が出来、そこからショパン達の存在がいかに奇跡であったかも実感出来ました。

管弦楽法
ベルリオーズとリヒャルト・シュトラウスの共著。
解説本かなと思いきや、ベルリオーズが経験談をふんだんに盛り込んでオーケストラの楽器や指揮について語っているので面白いです。
落胆やキレかけの文体がとても熱くてリアル。大勢を1つにまとめる大変さが伝わってきます。
やる気はあるが無能な指揮者等、こちらの本からも想像を遥かに超える当時のオーケストラの実情を知る事が出来ます。

ベエトオヴェンまいり
ワーグナーが極貧時代に書いた小説集。
純粋な芸術を目指す自分である主人公と金儲け主義の痛いイギリス人との対比が面白い。
ワーグナー自身が体験したと思われる、現代にも共通する創作者の理想と現実の葛藤がふんだんに盛り込まれています。
死にそうなキャラが死ぬ前にマシンガントークをかましたりと自分語りの多い描写の小説もありますが、ワーグナーは書ききれない程伝えたい事が沢山あったのだなと感じました。
メンデルスゾーンに送った楽譜を無くされてからワーグナーは怒りを溜め込むのだけど、「音楽が何かの情熱を表したものでなく情熱そのものだから言葉では表現出来ない」は29話で使ったメンデルスゾーンのセリフにとても近くて、2人共才能ある音楽家だから似てる所も多いのかもしれないと思いました。

ワーグナー著作集1 ドイツのオペラ
ワーグナーの音楽観や当時の音楽界が抱える問題が圧倒的なエネルギーで書かれています。
論文毎に訳者解説があるので内容を把握し易いです。
現代と変わらない創作者が身を置く環境や、創作の真理や魂のこもった言葉に感じる所が沢山ありました。
12話でも描いた「音楽におけるユダヤ性」も収録されており、そのまま真に受けると危険な箇所も沢山ですが、ワーグナーをもっと知りたい方には必読の書。
手を貸そうした友人にわざと潰す気だと誤解され拒絶されて落ち込んだり、褒められると「皆もワーグナー風に演奏してね!損はさせないよ!」と照れながら喜んだりするエピソードも色々知る事が出来ます。

葬送
全4巻。ショパンの手紙やドラクロワの日記と見比べると史実に忠実な小説です。
当時の絵・音楽・歴史等幅広く且つ深く書かれているので、1つの事について書かれた伝記や歴史本よりショパンの生きた時代全体を把握し易いです。
ショパンの仕草が美しく喀血シーンもとても色っぽいので、病弱美青年好きにもたまりません。
作中のドラクロワの芸術家としての苦悩には、共感したり辛さがよみがえったりと、非常に心を揺さぶられる描写が沢山ありました。

ドラクロワの日記
ショパンの親友でもあった画家ドラクロワの日記。ドラクロワの絵画論や音楽論は興味深いです。
ドラクロワの性格が作風のイメージと違ったのが意外且つその性格ならショパンと仲良しだった事に納得。2人の静かな交流が素敵でした。
ドラクロワにはショパンは「無邪気な人」「優しい小男」、サンドは「可憐な人」に見えたみたいです。

19世紀の音楽カリカチュア
風刺画+解説的伝記。他の本で見なかったエピソードも色々ありました。
リスト・ベルリオーズ・ワーグナーのネタが珍妙な絵と共に沢山載っています。
ワーグナーがフリフリ・キラキラの作曲用衣装をこっそり特注で作って着ているのを「ワーグナーの服の趣味は異常」と新聞にすっぱ抜かれ、リストに手紙で言い訳している話等、面白かったです。
ワーグナーの風刺画だけ3頭身だった事からちびっこなキャラデザにしました。

大作曲家は語る
僕ショパ2巻・30話のおまけページで描いたクララのリストに対するライバル心や、イギリスで孤独を味わったワーグナーが手紙でリストに思いっきり甘える様子等、生き生きとした文章が収録されています。
[2012/03/01 00:00] | 参考文献 | page top
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